ターコイズを語りたい 其の一
インディアンにとってターコイズとは?
ターコイズは、かなり昔から存在します。
最古のターコイズは、古代エジプトの女王のミイラと共に装身具として出土しています。また、ペルシャやチベットの古い記述にも登場し、中国でも翡翠に次ぐ重要な交易品だったことも知られています。
インディアンに空の石と呼ばれたターコイズは、神秘の石として重要な存在です。
古くは紀元前まで遡り、例えばナバホ族やズニ族は、生命にパワーを与えてくれると持ち歩いたり、メディスンマンが祈祷や治療の儀式に用いたりしていました。
20世紀に入り、シルバーにターコイズをセットしたインディアンジュエリーが生まれ、瞬く間に人気となり、ターコイズは宝石並みの価値を帯びるようになります。
各国のディーラーやコレクターが投資の対象として取引を始め、マニアや有名人が着用したことで、より熱が増し多くの類似品が出回るほどに。
そんな多くの人を虜にするターコイズとは何なのか?
ターコイズとは?
ターコイズ=Turquoiseという名前は、トルコを意味するフランス語が由来します。日本でもトルコ石と呼ばれることがありますが、これはトルコ原産の石ということではありません。
ターコイズが採れるイラン、アメリカ南西部、中国、南米の一部のターコイズをトルコの貿易商が取り扱ったことから、この名前がつきました。
ターコイズは、水化銅とリン酸アルミニウムを成分とする準宝石不透明鉱石に分類されます。湿気の少ない山岳地帯で、銅、アルミニウム、酸水素、リン酸塩の4つの成分を含んだ地層に雨水が染み込み、岩の裂け目に堆積し結晶化します。これがくり返され成分の密度が増すと青みがかった石になります。
ターコイズの青は、銅の含有量によって決まります。銅が多ければ青が深くなり、鉄分が多いと緑が強くなります。それ以外にも色々な成分により、様々なカラーとなるのです。
また、ターコイズの魅力に欠かせないのが、「マトリックス」や「スパイダーウェブ」と呼ばれる模様。
この模様は、石の粒子に不純物が混ざることで現れます。
全く模様の無いターコイズもあれば、綺麗に蜘蛛の巣状になったターコイズも存在します。この模様の入り方によって、ターコイズの価値が大きく変わる場合があります。
多くの自然現象が偶然に重なり生まれたターコイズ。
色•模様が2つと無いことがターコイズの大きな魅力の1つなのです。
それ以外にも、ターコイズの種類やインディアンジュエリーアーティストなど語りたいこは沢山ありますが、次の機会に。
それでは。
YOKOYAMA JUNCTION 河合